3歳からの「はじまりの音楽会」出演 サクソフォーン四重奏・クワチュール・ベーにインタビュー
2020年の“聴きはじめ”は、ザ・グランドホールへ。サクソフォーン四重奏のQuatuorB(クワチュール・ベー)が、息ぴったりの伸びやかな音色を皆様にお届けします。ここでは広報紙「まちプラ」では割愛せざるを得なかったインタビューをご紹介。幼い頃から音楽に触れることのメリットや、ザ・グランドホールの感想を語ってくれました。
□QuatuorB(クワチュール・ベー)が贈る 3歳からの
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バーチャルな世界があふれているからこそ
生の音楽に触れることは大切
ー今回のコンサートは「3歳からの」とありますが、幼少期から本格的な音楽に触れることのメリットとは?
國末:私は父親の趣味がレコードだったので、一日中音楽を聞ける環境でした。クラシックはたくさん持っていたし、童謡もよく聞いていましたね。小学校の頃、グレン・ミラーのコンサートに行って「トロンボーンてこんな柔らかい音がするんだ」と思った記憶が残っているので、小さい頃からコンサートに連れて行くのはいいと思います。
有村:3~4歳からピアノとかを習う子が多いので、音楽に親しんでほしいという親は多いと思うんです。僕はコンサートに行く機会はなかったけど、スマホ社会でバーチャルな世界があふれている中、生の音楽に触れることは大切だと思う。実体験がいい影響を与えたり、いろんな選択肢が増えたりするといいですね。
小山:今はCDだったりイヤホン越しだったり、生の音を聞く機会って意外と少ないですよね。生の音は、耳では感じ取れない周波も多く、スピーカーを通すより心地よくなる要素が大きいんだそうです。だから、たくさんの方に体感してほしい。人生が豊かになるとまではいかないかもしれないけど、音楽の幅、聞く方の幅も広がるんじゃないかな。
山浦:コンサートに限らず、美術館などへ連れて行くと、子どもなりに「今は騒いじゃダメな時」と空気を読みます。それに、普段テレビを見たりゲームをしている時には出さない表情を見せてくれるので、そういう素直な感情を大事にしてほしい。大人が子どもの新たな一面を発見する機会にもなりますよ。
ーザ・グランドホールの感想と、久留米で楽しみにしていることは。
山浦:素晴らしいホールで演奏させていただくのが嬉しい。打合せの日に反響板を移動して、大編成仕様と小編成仕様の両方を聞き比べることができたので、今回のコンサートがどうなるか楽しみで仕方ありません。久留米は酒どころで焼きとりが有名ですが、本番後に美味しいお酒が飲めるよう、楽しみは先にとっておきます。
小山:ホールの響きが素晴らしくて、残響で「バン!」と音が見えるような感じです。実際にお客様が入ると違った空気感があると思うので楽しみ。ファミリーコンサートといっても年始早々なので、フレッシュな気持ちで舞台に立てると思います。
有村:日本の他の大きいホールとは違う、オリジナリティのあるホール。響き方に特徴があって、それが“ザ・グランドホールの音”なんだと思います。久留米には何度も来ているせいか久留米在住説がささやかれているので(笑)、責任を感じるというか、このコンサートは大事な任務です。
國末:ホールの奥行きが近いので、お客様が迫ってくるような感覚。反響板が小編成と大編成の仕様に変えられるホールはあまりないので、いろんな可能性を秘めていると思います。久留米での単独リサイタルは初めてなので嬉しい。サクソフォーン四重奏を初めて聴く人に、次も聴きたいと思ってもらえるようないい演奏をしたいです。
◇メンバー&楽器紹介
國末貞仁【くにさん】ソプラノ・サクソフォーン(写真一番左端)
一番高い音域でメロディを担当するムードメーカー。うどん県(香川)出身のため、ツヤとコシのある演奏を目指している。
山浦雅也【まーくん】アルト・サクソフォーン(写真一番右端)
サッカーに例えると、フォワードを盛り立てるトップ下。常に点(メロディ)を取れる位置に控える最年少のいじられ役。
有村純親【すみさん】テナー・サクソフォーン(写真左から二番目)
カツ丼に例えると卵。メロディに絡むもよし、演歌のソロでむせび泣くもよし。久留米在住説がささやかれる最年長。
小山弦太郎【げんちゃん】バリトン・サクソフォーン(写真右から二番目)
結成時、アラサーでバリサクに挑んだ陰の立役者。低音でビートを刻みつつ、サイズゆえに純金塗装に憧れを抱くパパ。
□QuatuorB(クワチュール・ベー) プロフィール
2007年結成。グループ名の由来は、血液型が全員B型であること。一般財団法人地域創造平成22・23年度公共ホール音楽活性化事業登録アーティスト。現在は同支援事業において全国各地のホール、学校、コミュニティなどで演奏活動を行い、子どもからお年寄りまで幅広い層の圧倒的な支持を得ている。