「鼓童」三浦友恵さんインタビュー(3)
ピンと伸びた背中にしなやかな体躯、光の加減で栗色にも見える瞳はイキイキ輝いて、朗らかな笑顔に自然と引き寄せられてしまいます。佐渡島を拠点とする太鼓芸能集団「鼓童」の三浦友恵さん。準メンバー時代から海外公演に抜擢され、2016年に正式メンバーとなった期待の若手が、7月26日(水)の久留米公演を控えた6月、伝統芸能を通じた交流のため久留米市を訪問。思いがけず、お話を聞くことが出来ました。毎週1回、計3回に渡ってインタビューをお届けします。
●バックナンバー
↑ザ・グランドホールのステージにて
第3幕 若い夏 ~久留米公演へ向けて
●『鼓童』に入るのは難関だとうかがいました。
私の時は、まず3種類の作文による書類選考がありました。それから面接や実技試験。合格すると、2年間の研修生活です。これがもう、本当に辛くて…二度と戻りたくないですね。
●準メンバーとしての1年を経て、昨年正メンバーとなり、2年目を迎えました。
“準”と“正”じゃ周囲の扱いが全く違うんです!(笑) それに、準メンバーの時は振るいにかけられるので毎回ヒヤヒヤしてました。内心、「覚えとけよ」と思いながら次のステップへの糧にしてましたね。負けず嫌いなんです(笑)。
↑久留米市内の子どもたちに太鼓を指導中
●今回の公演タイトルは『若い夏』ですが、若手中心になるのですか?
約半分が20~30歳代、若手中心の構成です。ベテラン勢は「ヘマしたら俺たちがどうにかする」と言ってくれましたが、それに甘えることなく冒険しながら太鼓と向き合いたいです。レジェンドと呼ばれる鼓童の名誉団員が、若かりし頃どういう思いで太鼓に向き合っていたのか。今の私たちに何ができるのか。周囲の意見も取り入れつつ、「未来につなげていこう」という意気込みを感じて頂ける作品だと思います。
●初めて作曲も担当されるそうですね。
『やおら』という新曲で、先輩の阿部好江(敬称略)にアドバイスをもらいながら作りました。宮崎県出身の蓑輪真弥(敬称略)と九州コンビで、踊りを交えた演目になっています。
↑真剣に太鼓を打つ子どもたちと
●女性が主人公の演目なんですね。
女性の、しなやかな中にも芯があって、凛とした姿を描きたくて。実は、女性メンバーとしての立ち位置に悩んでいるんです。踊りだったり歌だったり花を添えるのはもちろんですが、男性と同じようにしていても適わないことってありますし、ある意味試されているというか試行錯誤しているというか…自分の中でしっかりみつけたいと思っています。
●昨日は久留米市内で子どもたちの稽古に参加されましたが、いかがでしたか?
九州は全体的に太鼓が盛んですが、久留米も太鼓チームが多いですよね。昨夜は装飾のないシンプルな打ち方を指導しました。全身を使って、芯のあるしっかりとした音を出せるようにって。子どもは吸収が早いので、最後の方は音が全く変わっていましたよ。
●先ほどザ・グランドホールを見学した時、拍手を打っていたのが印象的でした。
私たちは生音で勝負するので、音の響きってすごく大事なんです。だから会場に入るとみんな、パンッて確かめてしまう(笑)。ここはすごく響きが良かったし、新しい劇場なので魅力的ですね。
●最後に、皆様にメッセージをお願いします。
メンバー全員がエネルギーを全て出し切るので、それを観て「がんばろう!」って思っていただけたら嬉しいです。ツアーは7月初旬から始まるのですが、久留米公演は7月26日(水)と終盤。公演を重ねるたびにどんどん音も良くなっていくと思いますので、楽しみにしていてください。
【三浦 友恵(みうら ともえ)】
5歳より太鼓を始める。2013年研修所へ入所。2016年より正式メンバー。舞台では主に太鼓、踊りを担当。2015年、準メンバーながら「神秘」アメリカツアーメンバーに抜擢、その後「交流公演」「佐渡特別公演」、インドネシア・バリでの公演などに参加。2016年「神秘」ヨーロッパツアー、「螺旋」「交流公演」で国内各地を巡り、「若い夏」では演目「灯篭」で情感あふれる踊りを披露した。
★鼓童「若い夏」日本ツアー
■開催日時
2017年7月26日(水)18:30開演
■料金
全席指定(税込み)
・S席(1-2階):6,000円
・A席(3階):5,000円
・B席(4階):4,000円
・学生:2,500円(当日座席指定・要学生証)
■公演に関するその他の詳細は、こちらから
http://kurumecityplaza.jp/events/299