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写真家 浅田政志×久留米市「わたしとくるめ」キックオフイベントレポート

久留米シティプラザそのものを展示会場に見立て、アーティストと市民がつくりあげる写真展示プロジェクト「プラザあちこち写真館」が2024年からスタート。第一弾のアーティストは映画「浅田家!」のモデルになったユニークな家族写真集などで広く知られる写真家・浅田政志です。今回は『わたしとくるめ』と題し、久留米の名物や伝統などにまつわる思い出&エピソードを募集。浅田さんならではの演出を加え、市民参加で再現して撮影します。2025年3月の写真展示に先駆け、キックオフイベントを開催しました。
 

2024年4月20日(土)、Cボックスで開催した「わたしとくるめ」キックオフイベントの様子をご紹介します。

①10:00~12:00「わたしの1枚ワークショップ」

浅田さん進行のもと、15組の参加者が、スマートフォンに蓄積されたデジタル写真の中から″選りすぐりの1枚”を選んでプリントしました。
【協力:キヤノンマーケティングジャパン株式会社】

 

 浅田さんは、2011年の東日本大震災後、写真洗浄ボランティアの活動に参加。津波の被害で水に浸かったり土砂に埋まったりした写真の復元に取り組みました。その際、プリントした写真が、スマートフォンなどの電子機器や記憶媒体などに保存したデータ写真に比べて強いことを実感。復元された写真が、被災された方々の心の支えになっているのを目の当たりにしました。

 写真とは、見返すもの。見る人や、見るときの年齢によって、見え方や感じ方も変化します。プリントされた写真が100年以上もつ例として、日本写真の開祖の一人と言われる上野彦馬が江戸時代に撮影した写真を紹介。浅田さんは、写真をデータではなくプリントして「形」に残すことの大切さを話しました。

 その後、参加者はそれぞれ持参したスマートフォンやタブレットPCの中から、自分にとって大切な1枚を選んでプリントしました。迷う参加者には浅田さんがアドバイス。中には、三姉妹の小学校入学式の写真を組み合わせ、コラージュ写真としてプリントする方も!

 プリント後は、浅田さんが用意したオリジナル台紙に写真を貼り付け、裏面に写真エピソードを記入。なぜこの写真を選んだのかを共有しました。

   

 お子さんの成長を感じるもの、散歩中や家族旅行の様子など、ご家族の何気ない日常を写した1枚が多いのが印象的。ある中学生は、「わたしは妹と似ていないと思っていたけど、この写真を見ると似ていることに気づいたから」と田主丸のスイートコーン祭りでトウモロコシを頬張る写真をプリントしたそうです。

 最後は浅田さんからの「毎年12月に、今年のベスト10を選んでプリントしてはどうでしょう。」という提案で閉幕。みなさんも、ぜひ、今年の12月から実践してみてはいかがですか?

 

②14:30~16:00 写真家・浅田政志トークイベント

前半は、浅田さんがこれまでの自身の経歴や写真に対する思い、撮影エピソードなどについて紹介。後半は「わたしとくるめ」で募集中の久留米ゆかりの10の題材について、浅田さんが約50名のお客様とおしゃべりする時間です。

 

 浅田さんが″演出写真”を撮るきっかけとなったのは、専門学校在学時の「1枚の写真で自分を表現する」という課題でした。「一生のうちに1枚しか撮れないとしたら?」と自問自答する中で考えついたのが、″家族の思い出”を再現する写真。そのとき撮った1枚が、自分を含む家族全員が病院にいるワンシーンを再現した写真です。これが彼の写真家としての転機になりました。

 イベントの後半は、2025年3月にシティプラザ館内で行う写真展「わたしとくるめ」の説明です。現在募集中の久留米にまつわる10の題材から、ラーメンや久留米絣、エツなどのエピソードがないか客席に呼びかけると…

「我こそは!」と全員挙手!!なんともノリのいい久留米のお客様たち。(これも浅田さんの演出による写真です…笑)

 「エツ」のお題では調理方法で盛り上がり、煮魚、唐揚げ、刺し身など、エツの美味しさが(エツを食べたことのない)浅田さんにも伝わったようです。ほかにも小・中学生からご年配の方まで、短時間にたくさんのエピソードをお聞きすることができました。

 

「わたしとくるめ」思い出&エピソードの募集は4月30日まで。みなさんのご応募お待ちしています!

 

「わたしとくるめ」詳細情報はこちら

2024年04月27日