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『ダディ・ロング・レッグズ』井上芳雄さんインタビュー【後編】

“ミュージカル界のプリンス”と称される福岡県福岡市出身の井上芳雄さん。高い歌唱力と豊かな表現力で舞台やコンサートをはじめ、テレビドラマやバラエティなど多方面で活躍中。実力はもちろん、爽やかな笑顔と誠実な人柄、細身ながら鍛え上げられた肢体、時折バラエティで見せるユニークな言動、そしてファンへの細やかな気配りも人気の秘密です。その彼が11月、ミュージカル『ダディ・ロング・レッグズ~足ながおじさんより~』の公演で来久します。初めての久留米公演を前に、心境を語っていただきました。前編・後編に分けてご紹介します。

 ■前編「この再演は、久しぶりの“ご褒美”です。」はコチラから!

 後編   

手紙とは、気持ちがより相手に伝わるもの

この作品はジルーシャがジャービスに送る手紙だけで進行していくんですね。

 ジョン(演出家)は全部を表現しないし説明もしない。セットもすごくシンプルなので、観る人によって、観るたびに違う風景が見えるはず。そうやってお客様に自由に想像してもらうというか、それが演劇の素晴しいところだと思います。

●今はメールの時代ですが、手紙に対する思い入れはありますか?

 そもそも現代だったら成立しない話ですよね(笑)。リアクションが返ってくるのが遅いってことがドラマを生むんだと思う。僕自身は普段は手紙を書かないし、メールもそれほど打たないんです。ただ、メールは手軽に打てるけど、手紙はいろいろ考えながら書くので、手間がかかるぶん気持ちがより伝わるものだと思います。僕が手紙を書くのは、気合を入れて謝らなきゃいけないときだけかな(笑)。

●久留米シティプラザのことはご存知でしたか?

 まだ行ったことはないんですが、素晴しい劇場だと聞いています。天神からもそう遠くないし、劇場って近いほど行きやすいので、大きな街に新しい劇場ができるのはいいこと。お芝居が好きな方はもちろん、まだお芝居を観たことのない潜在的なお客様もいらっしゃるでしょうし、そこを掘り起こすというか、「劇場で何か面白いことをやってる」って感じが伝わるといいですね。公演で各地の劇場に行きますが、劇場中心に街の文化ができていたり、オリジナルのミュージカルを作ったり、そこに参加したり…地域で大きな役割を果たしている劇場もあります。久留米シティプラザもそんなふうになってほしいですね。

●久留米のイメージや想い出はありますか?

 高校時代に久留米から通学している友達がいて、泊まりに行ったことがあります。駅からすごく離れた田舎だったけど、「こんな遠くから通ってるんだ」って(笑)。同じ福岡でも言葉がちょっと違うし、ラーメンの味も違うし、近いけど独特な文化圏って感じがします。久しく行っていないので、今どんなふうになっているのか、食べ物も含めて楽しみです。

●最後に、メッセージをお願いします。

『ダディ・ロング・レッグズ』はみんなにオススメしたい作品。観たことのない方が大多数だと思うので、一人でも多くの方に観ていただきたいです。

 

■公演情報の詳細はこちらから!

■プロフィール:いのうえ よしお

福岡市出身。東京藝術大学在学中の2000年にミュージカル『エリザベート』の皇太子ルドルフ役で鮮烈なデビューを果たす。その後、高い歌唱力と存在感で数々のミュージカルや舞台を中心に活躍。近年ではテレビや映画等映像にも活躍の幅を広げ、俳優として高い評価を得ている。第20回日本映画批評家大賞舞台ミュージカル大賞ほか、受賞歴は多数。

『ダディ・ロング・レッグズ』井上芳雄さんインタビュー【後編】

2017年09月20日