久留米シティプラザ 久留米シティプラザ

『ダディ・ロング・レッグズ』井上芳雄さんインタビュー【前編】

“ミュージカル界のプリンス”と称される福岡県福岡市出身の井上芳雄さん。高い歌唱力と豊かな表現力で舞台やコンサートをはじめ、テレビドラマやバラエティなど多方面で活躍中。実力はもちろん、爽やかな笑顔と誠実な人柄、細身ながら鍛え上げられた肢体、時折バラエティで見せるユニークな言動、そしてファンへの細やかな気配りも人気の秘密です。その彼が11月、ミュージカル『ダディ・ロング・レッグズ~足ながおじさんより~』の公演で来久します。初めての久留米公演を前に、心境を語っていただきました。前編・後編に分けてご紹介します。

 

 前編  この再演は、久しぶりの“ご褒美”です。

 

●今年は7月、10月、11月と福岡公演が三回続きますね。

 “故郷に錦を飾る”って言うけど、こんなに何回も飾ってたらみんな慣れちゃって、親戚たちも「また来た!」って(笑)。でも、プライベートで帰ってくることがとても難しいので、福岡公演は嬉しい。福岡に帰ってくると、「表情がリラックスしてる」ってみんなに言われます。

●ミュージカル以外にも、舞台やテレビなど大活躍です。

もともとミュージカルが好きで歌から入ったので、ストレート(会話劇)は未だに挑戦する気持ちというか、体当たりでやらせてもらうって感じです。役を演じる上で、人間をより深く鋭角に抉っていくストレートはすごくエキサイティング。でも、ミュージカルのエンターテインメントとしての探り方も好きなので、どちらもできることはありがたいです。

●「ダディ・ロング・レッグズ」は、井上さんの代表作の一つとなりました。

 2012年の初演から出演していますが、本当に皆様に愛されていますし、僕も(坂本)真綾さんも大好きな作品なので、毎年やりたいくらい(笑)。今回は3年ぶりなので、仕事ではあるけど“ご褒美”のようで楽しみです。

●4回目の再演ですが、同じ役を演じる上で何か変化はありますか?

 実は、僕が演じるジャービスに関しては、これまで一度も役作りをした覚えがなくて。ジョン・ケアードという素晴しい演出家がいて、彼に導かれるまま稽古をしていたら、気づけばジャービスになってる。もともと彼の気持ちがよくわかるので、自然と役に入っていけるんだと思います。

●人気のある作品なので、既に遠方のお客様からも問合せが入っていますよ。

 もともとはアメリカのお話ですが、本場より日本とフランスで愛されているようです。真綾さん演じるジルーシャはとても魅力的な女の子。彼女を通して、何にでも興味を持っていた頃の無垢な自分を思い出すというか、何度観ても“自らの原点”に立ち返れるような名作。特に、女性には共感していただけると思います。

 

■公演情報の詳細はこちらから!

後編「手紙とは、気持ちがより相手に伝わるもの」もお楽しみください。

■プロフィール:いのうえ よしお

福岡市出身。東京藝術大学在学中の2000年にミュージカル『エリザベート』の皇太子ルドルフ役で鮮烈なデビューを果たす。その後、高い歌唱力と存在感で数々のミュージカルや舞台を中心に活躍。近年ではテレビや映画等映像にも活躍の幅を広げ、俳優として高い評価を得ている。第20回日本映画批評家大賞舞台ミュージカル大賞ほか、受賞歴は多数。

 

 

 

『ダディ・ロング・レッグズ』井上芳雄さんインタビュー【前編】

2017年08月31日