カンパニーデラシネラ「シンデレラ」 浅野和之インタビュー
言葉を使わないからこそ、想像力の魔法で見える面白い世界。
パントマイムをベースに独自の手法で創作を行うカンパニーデラシネラが、世界で広く知られる名作「シンデレラ」を11月28日(土)久留米座で上演します。主演はなんと、72歳の俳優・浅野和之さん。 シンデレラが男性?しかも高齢者!? 誰も見たことのない「もうひとつのシンデレラ」に迫る、浅野流“親父ギャグ”連発のインタビューをお届けします。

●「パントマイムは趣味で特技」と公表されていますが、言葉を使わずに表現するパントマイムの面白さとは?
想像力の跳躍が出来ることかな。秘めた可能性を一番もっているというか…パントマイムは演劇につながっていると思うんですけど、演劇と違って言葉が介在しないから、観ている人の想像力でどんな世界へも飛んで行ける。「言葉で伝えられたらな」って思う難しい状況もあるけど、それを動きでどう伝えきるのか。何にもないところから、切磋琢磨して新しい表現を生み出していくのも面白いですね。
●タイトルロールのシンデレラを演じると聞いた時の感想は?
度肝を抜かれましたよ!そんなつもりじゃなかったんで。実は60歳くらいのころに17歳の少女役を演じたことがあるんだけど、記録映像を見た時に自分でも許せないなって思ったんですよ(笑)。可愛くしようとすると反感を買いそうだから、今回は開き直って「72歳のシンデレラ」で挑みます。シンデレラって、おとぎ話に出てくる“薄幸で可憐な乙女”だよね。僕の場合、全部すっとばして、“発酵した加齢の乙女”でしょ? もう、こんなじいさんですから“○んでれら”ですよ(笑)。
●以前からデラシネラの作品に出演されていますが、どこに魅力を感じていますか?
パントマイムの魅力を十二分に引き出しているところかな。パントマイムだけでなく、さらに一段上げてきたというか。言葉はないけど、より演劇に近くなっているのが面白さだと思います。50歳の時に前身の集団『水と油』の公演を観たんですけど、「こんなにセンスのあるパントマイム集団が日本にできたんだ!」って衝撃を受けて。面識もないのに受付で面会をお願いして、楽屋で思いの丈をお伝えしたんです。30歳だったらドアを叩いてましたね。

●実際に作品づくりに参加されていかがでしたか?
動くってことが楽しいんですよ。セリフを覚えなくていいっていうのも一番ね(笑)。ただし、動きがよりダンスにも近いから結構ハードですよ。僕が若いころやっていたジャズダンスはカウントで踊るでしょ、でも小野寺くんのは動きを音に変えたりとかして覚え込む。初めて体験することも多くて面白かった。演劇と違って台本もないから、とにかく身体を動かしてつくっていくしかないんですよ。アイデアを出し合って、動きながら新たな表現を見つけ出す。骨組みをつくって、壊してはつくって…地味な作業の繰り返しです。すごく大変だけど楽しいし、出来上がった時の達成感は他では味わえませんね。
●今回、デラシネラの小野寺さんは、浅野さんが演じることで「摩訶不思議なシンデレラ」になるとおっしゃっていましたが、演じる上で意識しようと思っていることはありますか?
魔界不思議じゃないですか?(笑) 僕は役をつくる時、台詞を手掛かりにその人物を造形して行くんですが、もう一つ、同時に『身体』の動きも大切にしていて、その人が生きてきた中での体型や声や喋り方、立ち方とか歩き方とか癖、つまり内面だけでなく外側からのアプローチも大切にしてるんです。ただし、今回は言葉がないから面白い動きを見つけられるといいな。稽古の中で皆でアイデアを出しながら…あとは小野寺さんに委ねます(笑)
●パントマイムは肉体的な疲労が激しいとおっしゃっていましたが、今回も全国7カ所を回ります。御年72歳、元気の秘訣は?
寝つきがいいこと!素晴らしいほどの寝つきなんですよ(笑)。何も考えずに一気に睡眠。それと、好きなことをやっているから!これに尽きるんじゃないかな。自分が好きで入った世界だからね、キツイことがあってもそれを越えなきゃって思えるんです。好きなこと=楽しいことなんだから。

●最後に、久留米のお客様へメッセージをお願いします。
久留米には行ったことがないので、今回皆様にお会いできるのを楽しみにしています。吉野ヶ里に行ってみたいんだけど近いんですよね。あれ?吉野ヶ里は佐賀なの?久留米は福岡か。近くてあんまり差がないってね(笑)。
【公演情報】の詳細はコチラ!
久留米シティプラザキッズプログラム2026
[開催日時]11月28日(土)13:00開演(12:30開場)
宣伝写真:鈴木穣蔵

