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ミュージカル「ブラッド・ブラザーズ」インタビュー

1983年ロンドン・ウエストエンドでの初演以来、世界中で愛されているミュージカル「ブラッド・ブラザーズ」。日本でも1991年以来、繰り返し上演されてきた名作です。
片割れと知らずに友情を育み、数奇な運命をたどる双子の兄弟を演じるのは、柿澤勇人とウエンツ瑛士。本作の見どころや、ミュージカル初演出となる吉田鋼太郎についてお話を聞きました。

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―この作品の見どころを教えてください。

 

柿澤:普通だったら子役が演じるところを、あえて全編大人が演じるというのが演劇的で、本作にしかできないことだと思います。30歳を超えた大人が、8歳児を全力で演じる姿は美しくて可愛くて面白くて。それゆえに、二人が辿る悲しい運命を変えることはできなかったのかと、結末が余計に泣けてくる。切なくて悲しい話ですが、音楽も素敵ですし、いろんな感情を皆さんと共有できる作品だと思います。

 

ウエンツ:今回の見どころは“人”です。作品や音楽はもちろん、キャストもスタッフも自分の役割に徹して一致団結できるプロ集団。それを吉田鋼太郎さんがまとめあげてくださるので、自分たちもいい意味でプレッシャーを感じながら期待しています。お客様にはノンストレスで作品の世界に飛び込んで、たっぷり浸っていただきたいです。

 

―お二人から見た演出家・吉田鋼太郎の魅力を教えてください。

 

柿澤:鋼太郎さんの手がける演出は3作品目ですが、作品によって変えると思います。蜷川幸雄さんのシェイクスピア作品を引き継いだときは、蜷川イズムで稽古場を厳しく引き締めながらも、役者に寄り添う手法でした。今回は、本読みが先か立つのが先か。ただ、彼が常に言っている「役者が実感を持って役を生きているのか、セリフを喋って聴いているのか。それが芝居の基本だ」ということに尽きると思います。

 

ウエンツ:鋼太郎さんの演出は初めてですが、これまでの作品を観て素晴らしいと思ったのは、演劇的過ぎずリアル過ぎない、バランス感覚の良いところ。それはシェイクスピア作品をやる上で重要だと思うし、舞台上で起こっていることを大事にする反面、お客様にも楽しんでもらいたいという両方を求めてクリアされる方なんだろうなと思います。

 

-お二人は今回初共演となりますが、それぞれの印象を教えてください。

 

柿澤:ウエンツ君は、仕事モードのスイッチが入るとおチャラけた印象があるのですが、本来の彼は真面目で繊細でクレバー。頭の回転が速いし、それは芝居にも活かされていると思います。役をつかむのが早くて、僕は結構時間がかかる方なので羨ましい才能。

 

ウエンツ:カッキー(柿澤)は、役の可能性をいろんな方向から探り続けているので、常に満足していない。そんなことができる人は滅多にいないし、彼自身は気づいていないけれど、そのハングリーさの根源である「演劇が好き」って気持ちが漏れ出てしまっているのも素敵です。

 

―柿澤さんとウエンツさんが演じるのは二卵性双生児ですが、お互いが似ていると思うところは?

 

ウエンツ:双子を演じる上では似せたいけれど、作為的になってしまうのは気持ち悪い。カッキー(柿澤)が出ているシーンを、自分が出ているような気持ちで観てみることで、無意識に役として似てくる部分があったら嬉しいなと思います。

 

―最後に、柿澤さんは「愛と哀しみのシャーロック・ホームズ」以来、3年ぶり2回目の久留米シティプラザです。久留米や劇場の印象を教えてください。

 

柿澤:すごくキレイな劇場で、32歳の誕生日を久留米で過ごしました。劇場の周りにお店がたくさんあって最高の環境だったので、4月には一緒に飲みに行けるようになっていたらいいなと思います。

2022年02月18日