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ミュージカル『レベッカ』桜井玲香さんにインタビュー

観客の喜怒哀楽を動かせるように、

感情表現を豊かに演じたい!

 

 2006年にウィーンで初演された『レベッカ』は、女流小説家ダフネ・デュ・モーリアの同名小説が原作。『エリザベート』など数々のヒット作を生み出した世界的名コンビ、ミヒャエル・クンツェとシルヴェスター・リーヴァイによってミュージカル化されました。2008年の日本初演以来3度目の再演となる今回、トリプルキャストのヒロインの一人に選ばれたのが、トップアイドル・乃木坂46のキャプテンを務める桜井玲香さん。舞台での活躍が著しい彼女が、上流紳士に見初められて嫁いだものの、亡き前妻レベッカをめぐる愛憎劇に巻き込まれる“わたし”役に臨みます。

撮影:平山順一

舞台は怖いけど

一公演ごとに”やり切れる”のが快感です。

 

●最近は、演劇やミュージカルなど舞台でもご活躍ですね。

 もともと歌が好きで、お芝居も好きだったので、両方一緒にできるミュージカルには魅力を感じていました。舞台はストーリーを時間軸で追えるので感情が入れやすいですし、毎回完結するので一公演ごとの達成感が気持ち良くて。観客が目の前にいるので怖さもありますが、日によって返ってくる反応が違うのも快感というか、やっていて楽しいです。

●“わたし”役に決まった時のお気持ちは?

 そうそうたるメンバーを見て、不安が増しました(笑)。『レベッカ』の“わたし”といえば初演からずっと大塚さんですし、平野さんも綺麗な声とパワーをお持ちなので…。でも、尊敬するお二人のお稽古を間近で見られるのはすごいチャンスなので、ゼロからだと割り切って、良いところを吸収しながら少しでも自分の力を伸ばせればと思います。

●今後はどんなふうに“わたし”の役づくりをしていきますか

 まだ若くて真っすぐな“わたし”は、結婚を機に世の中のことを知り始め、周囲に揉まれて強く成長します。強大な敵にも真正面からぶつかって、自信がない中で色々な決断をするんですが、一途な思いが人の心を動かすというか、純粋さが強さになっていくのかなと思います。私の周りもレベッカのように優秀な人ばかりなので、究極の選択を迫られた時の苦しさとか、決断した瞬間の高揚感とか、感情が重なる部分を役に乗せて、一緒に成長したいです。

●今、力を入れて取り組んでいることは?

 圧倒的に歌です!ミュージカルはJ-popと違ってセリフを歌うので、声に芯を通して、ただの歌にならないようにするのが課題。それから、表現が難しくて。悲しい時も感情を前に出さないといけないので、いつも先生から「閉じこもらないで!」と言われます。

●タイトルロールのレベッカは、作品中でカトレアに例えられています。ご自身を花に例えるなら何ですか?

 えっ!? 見つからないです(笑)。でも、以前から、一輪だけでも華があるユリみたいな女性になりたいなと思っていました。大きくて印象的なのに、品があってちょっと控えめな主張を感じるというか、バランス感が素敵です。

●今後はどのようなことにチャレンジしていきたいですか?

 よく「どういう人の作品に出たいの?」って聞かれるんですけど、まだ演技の経験が少ないので、今は選ぶ段階ではないかなぁと。大好きな舞台はもちろんですが、1ヶ月以上かけて作る映画とか、いろんな作品に携わることで、自分がやりたい方向を探していければと考えています。

●最後に、本作品への意気込みをお願いします。

 観ている方が一番感情移入しやすいのは“わたし”だと思うので、お客様の喜怒哀楽をちゃんと動かせるように、感情表現を豊かに演じたい。みなさんに客観視されるのではなく、“わたし”として主観的に観ていただけるような作品にできたらと思っています。久しぶりの福岡なので、ベストなものをつくりあげて、成長した姿をお見せしたいです。

 

■ミュージカル「レベッカ」公演情報はこちら!

 

【さくらい・れいか】

1994年神奈川県出身。2011年、乃木坂46の1期生オーディションに合格。2012年に歌手デビュー。モデルや女優としても活躍中で、主な出演舞台は2016年『嫌われ松子の一生』主演、2018年『半神』W主演など。

2018年11月12日