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『関数ドミノ』瀬戸康史さんインタビュー

舞台は役者としての可能性を広げてくれる。

本公演で、イメージを裏切りたい。

 ドラマやCMの爽やかでクリーンなイメージ。今回の舞台であえてそれを「裏切りたい」と語るのは、福岡県出身の瀬戸康史さん。ある事故とそこで起きた奇跡…不可解な現象を検証するために集まった人々の人間関係を描いた『関数ドミノ』という作品で、内に深い闇を抱えた〝真壁〟を演じます。個性の強い面々の中、物語のキーマンともいえる難しい役どころに、「僕にしか出来ない真壁を創りあげたい」と体当たりで臨みます。

●瀬戸さんも好きな作品だとお聞きしましたが、『関数ドミノ』の魅力を教えてください。

 ある事故が起きて、そこである奇跡が起きて、その奇跡を検証していく物語です。非現実的な部分というのは物語に入るきっかけでしかなくて、それを取りまく人たちの人間関係がとても面白く描かれています。人間は流されやすくて、気持ちに左右されやすい…人間って面白いなぁと思えるような作品です。

●深い闇を抱えた〝真壁〟役は、瀬戸さんのイメージと正反対ですね。

〝真壁〟は事故の目撃者の一人で、うまくいかなかったり運が悪いのは全て周りのせいだという偏った先入観を持つ人物。でも、嫉妬やねたみといった感情は誰しも少なからず持ち合わせているので、そこを突破口に皆さんが共感できる部分や説得力を持たせて、ただの嫌われ者では終わらないようにしたいですね。「イメージを裏切る」のも役者の面白さ、今回のテーマの一つです。

●故郷・福岡での公演、何か思い入れはありますか。

 実は久留米の聖マリア病院で生まれたんですよ!といっても生まれただけで、育ったのは嘉麻市ですけど(笑)。僕が育った稲築町は芸事や祭りが盛んな地区で、和太鼓をやったり、学校で劇団公演があったり…幼い頃に経験した様々なことが〝感じる力〟を育んで、表現する上で活かされていると思います。役者になって十二年、福岡公演には家族や友人も観に来てくれるので、成長した部分を見てもらいたいです。

●最後に、皆さんへメッセージをお願いします。

 自分の生まれた久留米で公演できるのは幸せなこと。『関数ドミノ』は舞台初心者の方でも観やすくて、いろんな登場人物に感情移入できる作品です。最後には大どんでん返しがあるので、あんなことが起きるのか、と驚いて帰ってもらえたら嬉しいです。待っとうけんね! 

 

■『関数ドミノ』公演の詳細はコチラから!

 

【せと・こうじ】1988年、福岡生まれ。ワタナベエンターテインメント所属。映画、ドラマ、舞台など幅広く活躍。代表作にNHK連続小説「あさが来た」(15)、TBS「私 結婚できないんじゃなくて、しないんです」(16)、舞台「遠野物語・奇ッ怪 其ノ参」(16)、舞台「陥没」(17)ほか多数。17年秋からはNTV「先に生まれただけの僕」、映画「ナラタージュ」(10月7日公開)」、映画「ミックス。」(10月21日公開)など出演作が多数控える。

2017年09月24日